インスリン様成長因子(IGF-I)の溶液構造を決定した。^<15>N核によるラベル化を行い多核多次元NMR法と分子動力学計算を用いてその溶液構造を精密化した。それらの溶液構造を天然体と同様に構造解析し三者を比較し構造と活性の相関を論じた。IGF-Iとその結合蛋白質BP-3の複合体形成の様式を、本研究で改良を施した超遠心機を用い、沈降平衡法で解析した。^<15>Nラベル化IGF-IとBP-3の複合体を多核多次元NMRにより解析し始めたが、冷凍保存中にBP-3が変性するという事故に遭遇した。BP-3を再調製でき次第、すぐに実験を再開し、15Nのみならず^<13>Cをも含むダブルラベルしたIGF-Iを用いて、所期の目的を果たす態勢にある。多核多次元NMRによるこのような大きな蛋白質の複合体の構造解析は未だ行われていないが、ここに予備実験は全て完了した言える。
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