研究課題/領域番号 |
07224213
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
入江 昌親 星薬科大学, 薬学部, 教授 (70061265)
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研究分担者 |
岩間 正典 星薬科大学, 薬学部, 講師 (50130753)
扇 和子 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (90061291)
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キーワード | リボヌクレアーゼ / 反応機構 / 塩基認識機構 / 時間分割ラウエ法 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
1.リボヌクレアーゼ(RNase)Rhの改変体中あまり触媒機構を改変せず反応の効率のみが低下した分子種を作成し時間分割ラウエ法に適用すべく、当初、Trp49をIleに置き換えた改変体、Trp49IleおよびLys108Leu、 Glu105Glnの三分子種の作成を計画した。しかしTrp49は本酵素の活性中心の構造を維持するため不可欠のものであることが明らかとなったのでこれに代わりTrp49とともに塩基認識部位として働いているTyrをターゲットとし、Tyr57Ile、 Tyr57Alaなどの改変体の作成を行った。部位特異的変異法を利用しこの改変体を作成し酵母とのシャトルベクターに組み込み、酵母に形質転換しこれ等改変体酵素を得た。これ等の改変体は低分子基質に対する比活性の点からいってラウエ法に適用可であった。これ等改変体の量産の後結晶化を行ったが、現時点では、Tyr57Alaのみが結晶化に成功しておりこの結晶について解析を行っているので近くラウエ法に適するか否かを検討できるものと考えている。 2.牛膵リボヌクレアーゼ(RNase A)の低活性改変体の酵母での発現。牛膵RNaseの遺伝子中配列中酵母での発現に際して結晶化に不都合な糖鎖結合部位AsnをGlnに改変したものを作成し、これをRhizopus niveusのアスパルティックプロテアーゼのプレプロ配列の下流につなぎ、酵母とのシャトルベクターpYE 2211のD-glyceraldehyde phosphate dehydrogenaseのプロモーターに挿入した。このベクターを酵母に形質転換を行ったところ予想に反しみるべき酵素活性の発現をみなかった。RNase Aの発現が酵母に対して有害であることも考えられるので、現在ラウエ法に適し、活性の低下が証明されているAsp121Asn改変体を作成しつつある。このものに加えRhizopus niveusのプレプロ配列に代え本来のRNase Aのシグナル配列を挿入したものも作成中であるので今後これ等の発現を行う予定である。
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