研究課題/領域番号 |
07225216
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
金藤 敬一 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (70124766)
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研究分担者 |
高嶋 授 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (10226772)
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キーワード | 導電性高分子 / 走査型トンネル顕微鏡 / 電解重合 / 局所電解重合 / トンネル効果 / ポリピロール / ポリアニリン |
研究概要 |
導電性高分子は電解重合により、陽極板上に全面を被う薄膜として成長する。もし、作用電極の極く近傍に対向電極として先端が鋭利な探針を近づけて、電解重合を行えば極微少のスポット形成、および、重合過程で探針を移動することによって極細の線引きを行うことをこの研究の目的とした。この技術は、ミクロな活性電極の作成や極微試料の電極付け、更には、半導体表面の選択的局所領域の電解酸化や超LSI微細加工技術に応用できる。ここでは、鋭い探針を対向電極に用いて作用電極基板上にポリアニリン、ポリピロールの電解重合により点や線を描いた例について報告する。 0.1MHBF_4、0.01Mアニリン水溶液中で探針とWE間の距離(電極ギャップ)が5μm、定電流1μAで5秒間電解重合をして得れたポリアニリンのスポット径は約30μmであった。しかし、チップ先端では水素ガスの発生によて、あまり良好なスポットは再現性よくできなかった。ポリピロールの選択的電解重合では、10μmのギャップ間隔で、定電流3μAを5秒間通電して、約100μmのスポットが得られた。スポットの径は探針とのギャップが狭いほど、また、注入電荷量が少ないほど小さい径が得られた。スポット重合中に探針を走引することにより、線引きできることも分かった。探針を対向電極に用いて、局所電解重合がどの程度のスポットでできるかかどうか、簡単なモデルで計算を行った。その結果スポット径は探針と基板との距離の約4倍程度の大きさになることが分かった。実際得れたスポット径はそれと同程度か大きいものであった。
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