研究課題/領域番号 |
07228240
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 信昭 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (00106163)
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研究分担者 |
井澤 靖和 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (10029316)
阪部 周二 大阪大学, 工学部, 助手 (50153903)
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キーワード | ユーロピウムイオン / 二光子反応 / チタンサファイアレーザー / フェムト秒レーザー / Nd^<3+>液体レーザー |
研究概要 |
1.チタンサファイヤフェムト秒レーザーの整備 T^6レーザーと名付けたレーザーを安定動作させることを計画している(別予算)。T^6レーザーはTable-top Ten-TW Ten-Hz Tunable Ti: sapphire Laserの頭文字である。本システムでは前置増幅器として、従来の再生増幅器に代わる、高利得多重パルス増幅器を開発するなど種々の工夫の結果、波長可変性を有しながらTW(10^<12>W)を達成した。結晶BBOにより二倍高調波の394.3nm、パルス幅250fs、パルスあたりのエネルギーとして0.01〜1mjのを得た。5日間毎日実験を続けることができた。 2.二光還元実験 ランタニドイオンはf電子を持つことが特徴の一つである。f電子間の遷移強度は小さく、近紫外から可視、近赤外部に比較的狭い特有の吸収スペクトルを示す。一光子励起では反応しないが、Eu^<3+>イオンでは二光子還元できる。Eu^<3+>CH_3OH→^^<2hv>Eu^<2+>CH_3O^+H(1) 反応効率は0.1のオーダーとなり、昨年までの結果を再確認できた。 3.二光還元反応効率の予測式の作成と実験との比較 モデル計算を行った。レーザーの励起深さ依存性、時間空間依存性を考慮した。結局計算値は0.07となり、計算においては励起深さ依存在は必ず考慮すべき因子であることが分かった。実験とはオーダー的に一致した。 4.ランタニド錯体レーザー レーザー核融合用レーザーは現在0.0001Hzであるが、実用段階では10Hzが必要とされている。改良の試みのひとつとして液体レーザーの可能性を考えた。Nd(CF_3COCDCOCF_3)_3等、無放射遷移を抑えた錯体を合成し、Nd^<3+>錯体に関し、初めて有機溶媒中で発光を観測することに成功した。
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