• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

新反応場としてのガラスおよび過冷却液体における新規有機分子の光化学反応の動的制御

研究課題

研究課題/領域番号 07228242
研究機関大阪大学

研究代表者

城田 靖彦  大阪大学, 工学部, 教授 (90029091)

研究分担者 中野 英之  大阪大学, 工学部, 助手 (00222167)
野間 直樹  大阪大学, 工学部, 助手 (70208388)
キーワード光化学反応 / 反応場 / 分子性ガラス / 過冷却液体 / 微視的構造 / フォトクロミズム / starburst分子 / アゾベンゼン誘導体
研究概要

新しい反応場として興味深い分子性ガラスマトリックス中における光化学反応性を明らかにするとともに、分子性ガラスの微視的構造について知見を得ることを目的として、われわれがこれまでに創出したπ電子系starburst分子4,4',4″-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine(m-MTDATA)のガラスマトリックス中における4-dimethylaminoazobenzene(DAAB)のフォトクロミック特性を検討した。
m-MTDATA: DAAB=3:1および100:1のアモルファス薄膜に400nmの光を照射すると、可逆的光・熱異性化反応が進行した。光定常状態におけるDAABのcis-体の割合は、ポリスチレンガラス中に比べて小さな値となった。また、光定常状態に達した後のcis-trans熱性化反応の初期段階の見かけの反応速度定数は、高分子マトリックス系に比べて著しく大きいことがわかった。100:1-film中におけるcis-trans熱異性化反応は、benzene溶液中と同じ速度成分とより速い成分の二成分の一次反応として解析され、速い成分の割合は、polystyrene系に比べてかなり大きいことがわかった。このことは、光定常状態においてcis-体の多くがマトリックスの影響でひずんでおり、その割合がpolystyrene系に比べてかなり多いことを示している。
以上の結果は、分子性ガラスと高分子ガラスとの間で微視的構造に大きな差異があることを示唆している。
以上の研究のほか、2-vinylnaphthaleneの固相光反応について検討を行い、反応過程が溶液系と大きく異なることを示した。また、光電子移動反応におよぼすスピン多重度の効果ならびに分子間水素結合の効果について研究を進めた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T. Nakajima, Y. Shirota: "Solid-State Photopolymerization of 2-Vinylnaphthalene" J. Photopolym. Sci.Technol.8. 145-146 (1995)

  • [文献書誌] S. Satoh, T. Nakajima, Y. Shirota: "The Effect of Spin Multiplicity on the Photochemical Reaction of a 2-Vinylnaphthalene Dichloromaleic Anhydride System" Res. Chem. Intermed.21. 939-949 (1995)

  • [文献書誌] S. -C. Oh, Y. Shirota: "The Effect oflntermolecular Hydrogen Bonding on the Photoinduced Electron-Transfer Reaction of a Naphthalene-Triethylamine-Alcohol System: Estimation of the Equilibrium Constant for Hydrogen-Bond Formation from Fluorescence Quenching and Reaction Pathways" J. Photochem. Photobiol. A: Chem.92. 79-83 (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi