研究課題/領域番号 |
07229207
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松永 茂樹 東京大学, 農学部, 助教授 (60183951)
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研究分担者 |
村松 郁延 福井医科大学, 医学部, 教授 (10111965)
伏谷 伸宏 東京大学, 農学部, 教授 (70012010)
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キーワード | 海綿 / Theonella / 細胞毒性 / ポリペプチド / チャンネル |
研究概要 |
まず、polytheonamide Bに合計8残基存在するAsnおよび^γN-methylasparagine(Asm)がいずれもD型であることを、加水分解物中のAspのDL比を詳細に検討することによって決定した。ついで、異常アミノ酸のβ-methylglutamic acid(β-MeGlu)の立体化学を、キラルカラムを用いるGC分析での保持時間を合成標品と比較してL-erythro型と決定した。また、3残基存在するβ-hudroxyvaline(β-OHVal)は、キラルカラムを用いるGCから2つがD型で残りがL型であることがわかった。部分加水分解で12番目から18番目のアミノ酸からなるヘプタペプチドが得られたが、このなかには16番目のβ-OHValが含まれる。このフラグメントペプチドを加水分解後、キラルGC分析に付しその中に含まれるβ-OHValをL型と決定した。したがって、残る2つのβ-OHVal残基(23番目と31番目)はD型である。以上の結果、44番目のγ-hydroxy-t-leucineならびに47および48番目のThrおよびaThrを除いてpolytheonamide Bのアミノ酸残基の立体化学を決定できた。 polytheonamide BのSDS存在下trofluoroethanol-D_2O(1:9)中での^1HNMRスペクトルを測定した。試料調製直後にはαプロトンの科学シフト値が3.5-5ppmの範囲にありランダムコイルコンフォメーションを示唆した。しかし、サンプルを溶解し3カ月放置後に測定すると、αプロトンが5-6ppmに低磁場シフトしてβヘリックス構造と類似した2次構造をとるようになっていることが判明した。 Polythwonamide Bを人工膜に組み込み形成されたチャンネルの性状を調べた。Polytheonamide Bが作るチャンネルが1価のカチオンを選択的に通す点はgramicidin Aのチャンネルと同様であるが、整流作用がみられる点は異なる。
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