研究課題/領域番号 |
07230261
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河本 洋二 神戸大学, 理学部, 教授 (00030776)
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研究分担者 |
瀬恒 潤一郎 神戸大学, 理学部, 助教授 (10117997)
菅野 了次 神戸大学, 理学部, 助教授 (90135426)
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キーワード | 希土類錯体 / フッ化物ガラス / ガラス薄膜 / ゾル・ゲル / フッ化反応 / CVD法 / プラズマ |
研究概要 |
フッ化物ガラスは、ここ十年来、光・電気機能性ガラスとして多数の研究が進められているが、いずれもバルク状ガラスについてのものである。これらの研究の結果として、このガラスを機能材料として実用に供する場合、薄膜状の形態のものが必要不可欠であることが明らかになってきた。ガラス薄膜は通常の「溶融法」では得ることは不可能に近い。それゆえ本研究ではフッ化物ガラス薄膜を作製する方法として「ゾル・ゲル-フッ化法」および「ECRマイクロ波プラズマCVD法」を開発し、フッ化物ガラス薄膜の創製を試み、作製された試料のキャラクタリゼーションを行う研究に行なった。ここでは「ゾル・ゲル-フッ化法」について報告する。 本研究で開発した「ゾル・ゲル-フッ化法」とは次のような方法である。金属アルコレートを出発試薬とし、これを適当な溶媒に溶かし、ゾル溶液を得、このゾル溶液を加水分解することにより酸化物ゲルを作製する。そしてこの酸化物ゲルを適当なフッ化ガスによりフッ素化を行ない、フッ化物ガラスを得ることである。創製に取り組んだガラス系は代表的なフッ化物系ガラスであるフッ化ジルコニウム系ガラス、フッ化アルミニウム系ガラス、フッ化インジウム系ガラスであり、いずれの系にも光活性な希土類元素を含有させることにした。研究結果として次のような事項が明らかになった。(1)出発試薬の金属アルコレートとしてはn-ブトキシドあるいは2-メトキシエトキシドが最適であり、これを2-メトキシエタノールに溶解してゾル溶液を作製すること。(2)ゾル溶液のゲル化反応はアルゴン雰囲気中で、脱炭酸ガスの水蒸気で行なうこと。(3)フッ素化はNF_3をフッ化ガスとして用い、反応温度は250〜300℃が望ましいこと。(4)このような条件下で数〜数十μmの厚さの薄膜が創製可能であることなどを明らかにした。
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