研究課題/領域番号 |
07233224
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
矢ヶ崎 克馬 琉球大学, 理学部, 教授 (70045037)
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研究分担者 |
仲間 隆男 琉球大学, 理学部, 助手 (80264472)
二木 治雄 琉球大学, 教養部, 助教授 (80145549)
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キーワード | 超伝導相 / 磁場中多重相 / 圧力依存多重相 / 強相関物質 / 立方晶ラーベス相 |
研究概要 |
本研究に於いては、立方晶ラーベス相の結晶構造を持つCeRu_2超伝導相の研究として(1)圧力効果、(2)トンネル分光、(3)Ce_<1-×>R_×Ru_2(R=La,Gd)擬二元系の帯磁率などの基礎測定等を行い、(4)常伝導状態の物性測定として熱電能、磁化、電気抵抗、マグネトレジスタンスなどの測定を行った。試料は、CeおよびR化合物をプラズマ溶解により作成し残留抵抗比22程度の純良な多結晶試料を得た. (1)圧力効果は1.1メガパスカルまでの圧力領域、4.2Kから10Kまでの温度領域で、交流帯磁率の温度依存を測定することによって超伝導転移点の圧力依存を得た。(東北大学に出張、出張旅費)特筆すべき結果は、約0.5ギガパスカルを境として転移点は圧力増加に伴って直線的下降から突然直線的上昇へと転ずる事である。この振る舞いは圧力により超伝導状態が一次転移的に状態を変えることを示し、CeRu_2は磁場だけでなく圧力によっても超伝導状態を変化させる興味ある物質である事が判明した。 (2)トンネル分光は広島大学浴野稔一博士の協力により行った。現在のところ、超伝導状態には転移点も高く、極めて強相関を示す部分と、BCS的普通の振る舞いをする部分とが発見され、興味深い結果を得ている。 (3)擬二元系Ce_<1-×>R_×Ru_2では、特にGdを10%程度加えた試料では強磁性相関と超伝導相関が共存する結果を得ており、今後の研究が興味深い。 (4)常伝導状態の物性測定として磁場中熱電能測定装置を完成させた。(購入したスーパーデジタルボルトメーターおよびナノボトルプリアンプはほとんどすべての測定に重用されたが、特に熱電能装置では威力を発揮した。)備品の購入等により精度を上げた実験が行われ、電子電子相関が支配的な温度領域は約40ケルビンまでであること。室温以下全温度範囲でマグネトレジスタンスは正であること。CeRu_2とLaRu_2のフェルミ面は全く異なり、CeRu_2がKondo状態にあることを示す。
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