研究概要 |
本研究では、申請者が確立した粒子径制御法により得られる各種粒子径および界面分子構造をもつシリカ微粒子を用いて、粒子表面近傍での液体分子構造および粒子と液体分子の協力現象を定量的に解析し、粒子径の変化による粒子表面近傍での複雑な液体構造の変化機構を解明した。また、個別粒子の界面液体構造から粒子間相互作用を推算し離散要素シミレーションを行い、個別粒子の構造と粒子の凝集現象など集団運動との関係を定量的に評価した。 1,金属アルコキシドを用いた酸化物系ゾルおよびゲルの合成と評価 超微粒子の合成は金属アルコキシドを用いて、加水分解縮重合反応条件により粒子径や粒度分布、固体および界面近傍の液体分子構造を制御し、凍結乾燥法により遊離水分を除去した上で加熱ステージ付拡散反射FT-IRにより粒子表面近傍での水分子の結合強度と結合量を評価し凝集特性やゲル体構造との間に相関があることを確認した。特に、強力な水分子の水素結合が存在する場合では、数nmの超微粒子ゲルがほぼ最密充填構造に配列することが確認された。 2,固体/液体界面での水和斥力を考慮した凝集シミレーション手法の確立 実験的手法により得られた粒子表面近傍での水分子の結合強度と結合量から、固体/液体界面での反発力を推定し、凝集挙動に及ぼす影響を定量化するシミュレーション法を開発した。その結果、水和斥力の効果が著しく凝集挙動の変化に著しく影響することをシミュレーション上でも確認した。また、水和斥力の定式化も行った。以上の結果から、水和物層の構造に及ぼす粒子/液体界面分子構造の影響がモデル的に考察できた。
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