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1995 年度 実績報告書

ブロック共重合体のミクロ相分離構造の膜表面でのメゾスケールにおよぶ組織化・階層化

研究課題

研究課題/領域番号 07236228
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

野村 春治  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (10026073)

研究分担者 櫻井 伸一  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (90215682)
柴山 充弘  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00175390)
キーワードパターン形成 / 非線形現象 / ブロック共重合体 / 自己組織化 / メゾスケール / 複雑液体 / ミクロ相分離 / 表面構造
研究概要

本研究では、高分子系での散逸構造形成を目標にした。この目的のためには、系の高粘度による阻害作用を克服する必要がある。そこで、高分子溶液から溶媒を蒸発させて濃縮し、最終的に高分子フィルムを作製する溶液キャスト過程に注目した。すなわち、溶媒の蒸発過程で温度勾配をつけることによって、系の粘度が上昇する前に非線形性を増大させ、散逸構造の形成を試みた。試料としてラメラ状ミクロ相分離構造を有するスチレン-ブタジエン-スチレントリブロックコポリマー(数平均分子量6.31万、組織はポリスチレンの体積分率にして0.52)を用いた場合、大変特異的な同心円状パターンが得られることが既に明らかになっているので、本研究ではキャスト膜表面における凹凸構造をミクロからメゾスケールにわたって明らかにした。さらに、流れの可視化法を用いて、その形成機構を温度勾配下で発生する対流パターンとの関係づけで明らかにした。なお、溶液の底面付近の温度は約50度であった。
(a)ミクロからメゾスケールにわたる表面凹凸構造
透過型電子顕微鏡を用いた観察によって、キャスト膜表面にほぼ平行にラメラ状ミクロ相分離構造が配向する平衡状態とは対照的に、著しい配向の乱れやラメラ構造の歪曲が多数観察された。メゾスケールでの観察は微分干渉顕微鏡を用いた。その結果、数十ミクロン程度の表面凹凸が明瞭に観察され、ミクロなスケールでのラメラ構造の歪曲との強い因果関係が示唆された。
(b)流れの可視化法を用いたパターン形成機構の解明
溶液キャストの初期過程では、六方格子状の対流パターンであったが、溶液のポリマー濃度が約40%に到達した以降では、最終的に得られる特異的な同心円状パターンが既に形成されることがわかった。詳細の解明は今後の課題である。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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