研究課題/領域番号 |
07237103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
十倉 好紀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30143382)
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研究分担者 |
吉沢 英樹 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00174912)
高野 幹夫 京都大学, 化学研究科, 教授 (70068138)
熊谷 健一 北海道大学, 理学物理学科, 教授 (70029560)
安岡 弘志 東京大学, 物性研究所, 教授 (50026027)
藤森 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10209108)
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キーワード | モット転移 / ペロブスカイト / 巨大磁気抵抗効果 / 3d遷移金属酸化物 / 金属-絶縁体転移 / 電荷整列 / スピンラダー / 軌道整列 |
研究概要 |
3d遷移金属酸化物およびカルコゲン化物を対象に、モット転移とその近傍にある異常な金属状態について、集中的・包括的な研究を行った。 まず、フィリングとバンド幅を共に制御したプロブスカイト型Ti酸化物について、モット転移を系統的に調べ、電子相図の全体像を明らかにした。特に、モット転移近傍の有効質量の増大したフェルミ液体の特徴を電子比熱、光スペクトル、光電子スペクトル、NMRの測定によって明らかにした。また、超巨大磁気抵抗効果を示すペロブスカイト型Mn酸化物については、ホール濃度の相関数してのスピンダイナミクス、格子構造、電子構造の変化の様子が詳しく調べられ、軌道の自由度の関係した多成分系モット転移の様相が明らかになりつつある。Mn酸化物、Ni酸化物に関係した多成分系モット転移の様相が明らかになりつつある。Mn酸化物、Ni酸化物に共通して見られる電荷整列の相転移については、良質単結晶試料を用いた、輸送現象、分光、中性子散乱測定が進められ、スピンと電荷と軌道の各自由度の揺らぎ/秩序と物性の相関が詳しく議論できる段階になった。 一方、スピンラダー系での超伝導の発見によって最近関心を集めているスピンギャップを有するモット系、Cu、V、Co酸化物について、反強磁性との競合、ドープ状態でのスピン・電荷ダイナミクスなどの知見が良質試料を用いて得られつつあり、世界的に見ても主導的な立場で研究が進行中である。
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