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1995 年度 実績報告書

遠洋堆積物中のETイベントの読みとり

研究課題

研究課題/領域番号 07238106
研究機関名古屋大学

研究代表者

小嶋 智  名古屋大学, 理学部, 助教授 (20170243)

研究分担者 海老原 充  東京都立大学, 理学部, 助教授 (10152000)
川上 紳一  岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80183036)
キーワード遠洋性堆積物 / チャート / 三畳紀 / 美濃帯 / ETイベント
研究概要

西南日本内帯の美濃帯とロシア極東地域シホテアリン山地のサマルカテレーンはいずれもジュラ紀付加体からなる.これらの地域には,古生代後期の緑色岩・石灰岩,二畳紀〜ジュラ紀前期のチャート,ジュラ紀中期の枠屑岩層などが共通して分布している.一般に,造山帯に広く分布するチャート層には粗粒な砕屑物は含まれず,このことはチャートが遠洋性堆積物であるとする根拠の一つと考えられている.しかし、両地帯の三畳紀層状チャート中には,まれに砕屑岩層が含まれている.これは,チャートのような遠洋性堆積物が集積している堆積盆に,何らかのイベントによる堆積物がもたらされたことを意味している.これら砕屑岩層を岩石学的に検討したところ,砕屑粒子として火山岩(玄武岩?)・チャート・珪質頁岩・放散虫遺骸・斜長石・多結晶石英・ル-テサイト・コノドント遺骸などが含まれることが判明した.また,砕屑岩層の上下の地層から放散虫を取り出しその時代を検討したところ,いずれも三畳紀中期Anisianにその時代が集中することがわかった.さらに,INAAによる予察的な分析によれば,この砕屑岩層自体からはイリジウムなどの白金族元素の濃集は検出されなかった.三畳紀チャートに挟まれる砕屑岩層は,以上のような特徴から,海山・海台などの後背地から乱泥流のような流れよりチャートの堆積盆にもたらされたものと考えられる.日本海が開く前の位置に西南日本を復元すると,砕屑岩層は約500km離れた美濃帯と極東ロシアでみつかっている.このことは,砕屑岩層の後背地で,かなり広域に影響を与えるようなイベントがおき,そのために乱泥流のような流れが発生し,普段は砕屑物が供給されないような遠洋性堆積場まで砕屑物がもたらされた,とするとよく説明できる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小嶋 智: "美濃帯の三畳紀チャート中の砕屑岩層:特に砕屑粒子として含まれる海緑石とコノドントについて" 日本地質学会第103年学術大会講演要旨. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 小嶋 智: "東アジアの三畳紀チャート中に含まれる砕屑岩層:岩石学的・生層序学的対比" 地球惑星科学関連学会1996年合同大会予稿集. (印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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