研究課題/領域番号 |
07238107
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
大江 昌嗣 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (00088783)
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研究分担者 |
藪下 信 京都大学, 工学部, 教授 (60025921)
桜井 邦明 神奈川大学, 理学部, 教授
木下 宙 国立天文台, 位置力学研究系, 教授 (00012857)
池谷 元伺 大阪大学, 理学, 教授 (20023161)
平田 岳史 東京工業大学, 工学部, 助手 (10251612)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ICP質量分析計 / 蛍光スペクトルスキャナー / ESR顕微鏡 / 年代測定 / 地球・月系の潮汐進化 / 太陽系の安定性 / 力学時計 / 分子雲 |
研究概要 |
(1)現有のICP質量分析計へのマルチコレクターシステムの導入した。基礎的な同位体データの集積および装置の特性を評価し、ジルコンの高精度年代測定を行うために、レーザーサンプリング法の開発とICP質量分析計の改造を行った。検出器の多重化により、当初の目標の鉛同位体分析精度0.01%程度が得られるようになり、またレーザーサンプリング法の開発に成功し、固体試料の10〜15ミクロンの微小領域からの同位体分析を行った。 (2)紫外蛍光スペクトルスキャナーを開発・導入し、それによって資料の微量元素の濃集層の検出を行い、得られたデータを用いて堆積物の縞々を時系列に変換することにより、そのリズムの周期を求めた。ESR顕微鏡を開発し、それを用いてサンゴや鍾乳石の格子欠陥の濃度分布の測定を行い、成長速度と気象の関連を追及した。また陽電子消滅時間イメージング装置を開発し、縞状鉄鉱の計測と解析を行った。 (3)太陽系の全惑星の軌道進化について摂動計算を行い、地球を含め惑星の軌道運動は、極めて安定であり、現在の境界条件のもとでは数十億年の時間スケールでも大きな不安定が起きにくいことを明らかにすることできた。月-地球回転力学系の進化に関する大陸・海洋分布の影響と初期地球及び月の内部粘性の効果を調査し、地球-月の力学時計に及ぼす大陸分布および海洋分布の時間変化の効果を数値的に見積もることができた (4)地球上の過去のクレーターの形成について調査を行い、白亜紀・第三紀の地層変異が小惑星の衝突によるとの仮説について、その原因は堆積したイリジュムの量、大気酸素分圧の減少、絶滅した生物の種類などの調査から、太陽系が分子雲に突入したする方がより整合性があることが分かった。また、生物絶滅は、個々のクレーターの年代と相関があることを確かめたが、周期性は統計的に有意とは認められなかった。 (5)宇宙線源となる星間物質の基本的性質について調査を行った。また、「とけい」としての役割を持つ放射性元素について、地球上のどこに、いつ、どの程度配分されたか調査し、これらから地球初期への惑星物理的拘束条件、地球形成場と原料への拘束条件等を求めることができた。
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