研究課題/領域番号 |
07240102
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
梶本 興亜 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30029483)
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研究分担者 |
西川 恵子 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60080470)
平岡 賢三 山梨大学, 工学部, 教授 (80107218)
富宅 喜代一 神戸大学, 理学部, 教授 (00111766)
西 信之 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60013538)
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キーワード | クラスター / 超臨界流体 / 疎水性水和 / 水和金属クラスター / 電子移動反応 |
研究概要 |
近年、溶液の局所構造としてのクラスターの存在が、溶液の特徴をよく表現することが指摘されるようになった。本研究では、(1)流体溶液中のクラスターの直接観測と、(2)気相クラスターを用いて流体中のクラスターの基礎的情報を集める、という二つの方向から研究を進めた。また、クラスターの時間的揺らぎを基礎とした、揺らぎと化学反応の関係についても基礎的な研究を試みた。 西川は、液相・超臨界流体中のクラスター構造を観測するために、X線小角散乱実験装置を製作してCF_3Hを対象とする実験を行い、密度ゆらぎの絶対値がρ-T相図上で物質依存性を示さず、一定の曲線群の上に乗ること、また、超臨界流体中の『高次の相転移線』はρ-T相図上で物質依存性を示さないことを見いだした。梶本は、回転コヒーレンス法によって構造を決定したクラスター分子の電子移動ダイナミックスを観測し、クラスターの構造と反応速度の対応を検討した。また、分子動力学計算によって超臨界流体中のクラスター構造の揺らぎを調べ、反応との関係についても検討した。西は、水溶液中のイオンクラスターおよび中性クラスターをそれぞれ独立の機構で液体から分離することが可能な二重収束配置電場磁場型質量分析計を製作し、基礎データを収集した。富宅は、フェムト秒レーザー分光装置を整備し、Li、Na原子負イオンを含むアンモニアクラスターの光電子分光によって、M^-(NH_3)_nの金属の最外殻電子の非局在化がn=10程度で始まることを明らかにした。平岡は、金属表面にファンデルワールス力で付着した分子のイオン衝撃によって、金属と表面分子の相互作用に関する情報を収集した。
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