研究課題/領域番号 |
07240104
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
茅 幸二 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10004425)
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研究分担者 |
保田 英洋 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助手 (60210259)
田中 虔一 東京大学, 物性研究所, 教授 (00016718)
永田 敬 東京大学, 教養学部, 助教授 (10164211)
松本 吉泰 分子科学研究所, 助教授 (70181790)
近藤 保 東京大学, 理学部, 教授 (10011610)
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キーワード | クラスター / 表面反応 / 固体表面 / サンドイッチクラスター / 2次元クラスター / 触媒 / 高温高圧 / くさび効果 |
研究概要 |
重点領域研究「少数多体系の化学」のA-04班「クラスターレベルの表面反応制御」は、6名の計画班員と、10名の公募班から構成されている。 班長である茅のグループは、新奇なクラスターとして有機金属サンドイッチクラスターの性質の解明と、クラスター固定装置の試作を行っている。後者に関しては、装置がほぼ完成したが、クラスター源が充分な量を発生していない点を検討している。前者に関して、特にV原子とベンゼンとのサンドイッチクラスターの電子親和力が負であるという予想に反する実験結果を得たが、波田は理論的にこの問題を解明し、このクラスターのHOMO準位がd電子由来の非結合性のもので、1電子近似から予想されない性質を持つ事を明らかにしている。近藤らは、クラスターイオンと固体表面の特異的反応をさらに拡張し、実験を行ったが、山田らは、ラスターイオンビーム法による固体表面の修飾(薄膜形成)などに、従来よりさらに精密な手法を開発し、近藤らと相補的な結果を得ている。田中らは、電気化学的手法を用い、固体表面に秩序ある相の形成を試みているが、栃原は、固体表面にアルカリ金属原子を2次元的な秩序構造として成長させる事に成功している。松本は固体表面を利用した光化学反応に新しい発見をし、永田はクラスターイオンの表面反応について、光電子分光法によって解明を行う可能性を明かにした。また、公募班において、ゼオライト、炭素シート間の空孔を利用した、クラスター生成と新奇な物性が研究されている。
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