研究課題/領域番号 |
07240106
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
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研究分担者 |
山内 薫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40182597)
里子 允敏 日本大学, 文理学部, 助教授 (30113426)
北原 和夫 東京工業大学, 理学部, 教授 (20107692)
相沢 洋二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70088855)
大峰 巌 名古屋大学, 理学部, 教授 (60146719)
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キーワード | クラスター / 非線形動力学 / 分子動力学 / 密度汎関数法 / 非平衡統計力学 / カオス / 反応理論 / 量子カオス |
研究概要 |
本研究班はクラスターのような少数自由度多体系でみられる様々な動的現象を非線形古典動力学と量子動力学の立場から理論的に解明することを目的とする。以下にその研究実績をまとめる。(6)の山内は唯一の実験家として本班に参加している。 (1)本重点計画4班保田氏らによって実験的に発見された極めて興味深い現象である、金属微粒子の急速な合金化過程を密度汎関数法(里子)および現象論的ポテンシャル(池田)およびハイブリッドポテンシャル(沢田)の3つの方法によって解明するべくほぼ基本的準備が終わった状況にある。 (2)反応過程の量子論の基礎になる高次元トンネル効果の半古典理論、特にカオスが絡む場合が現象論的にほぼ解明された。(池田) (3)水中に水素結合のネットワークによって形成されるクラスター構造の遷移過程のシミュレーションの結果の一部を修正された遷移状態理論から説明することに成功した。またプロトン移動のダイナミクスを研究する基礎になる断熱ポテンシャルが計算された。シミュレーションを実行中(大峰) (4)非平衡解放系の反応拡散現象をミクロな立場から再現するべく分子動力学モデルを構築しシミュレーションと解析計算をおこなった。またラジカル再結合反応の統計模型を提唱しその厳密な解析をおこなった。(北原) (5)クラスター系を含めて大自由度ハミルトン系でみられる緩和現象の非定常性を幾何学的アプローチによって解明している。とくにメトリックな不安定性にくわえてトポロジカルな不安定性の重要性が明らかにされた(相沢)。 分子、原子クラスターの高励起状態のダイナミクスを実験的に解明するべく、真空紫外リュードベリ状態のHgArの前期解離過程、VUV-PHOFEX法によるOCSの光解離ダイナミクス、CS2における振電構造と前期解離について研究を進展させた。(山内)
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