1.炭素クラスター負イオンと固体表面との衝突による電子脱離過程の研究 低い衝突エネルギー(100eV前後)での固体表面衝突によって生じる炭素クラスター負イオンからの電子脱離過程について検討した。クラスター負イオンから脱離した電子の運動エネルギーの測定を行うため、新たな電子エネルギー分析器を開発した。C_<30>^-、 C_<18>^-、 C_<60>^-について実験を行なった結果、いずれの場合も従来言われているような時間スケールでの遅い電子脱離過程(delayed process)は存在しないことが示された。 2.金属の配位した炭素クラスター負イオンの生成 La原子の配位した炭素クラスター負イオンを、金属酸化物とグラファイト粉末を混ぜ合せて焼結したロッドにレーザー蒸発法を適用する事により得た。この結果、負イオンとして少なくとも炭素原子が6個以上ついたLaC_n^-の生成を、固体表面衝突装置に付属しているリフレクトロン型質量分析装置により確認した。これらのクラスター生成の最適生成条件について検討を行なった。
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