• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

相互作用ネットワークを有する分子性ポリマーの設計と分子配列の制御

研究課題

研究課題/領域番号 07241229
研究機関九州大学

研究代表者

青山 安弘  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (00038093)

キーワード分子性ポリマー / 結晶工学 / 水素結合 / 多孔質有機結晶 / 芳香環カラム / 分子テープ / 分子シート / ネットワーク構造
研究概要

分子内に直交因子を有するアントラセンのビスレゾルシン誘導体は2次元(シート状)の水素結合ネットワークを形成し、生じた大きな空孔には種々のゲスト分子がとりこまれる。これに対して、アントラセンのモノレゾルシン誘導体は1次元(テープ状)の水素結合ネットワークを形成し、生じたポリレゾルシン鎖がお互いに“からむ"(interpenetrate)結果、アントラセン環は密に積層し、小さな空孔を生じる。
2次元および1次元ネットワークは機能上の大きな差異をもたらす。第一はアントラセン環の光化学的物件である。2次元ネットワークにおいたはアントラセン環は12-13A離れているため単量体(monomer)蛍光のみが認められる。これに対し、1次元ネットワークではアントラセン環が対面積層しているため、エキシマー蛍光のみを発する。ネットワークの次元性により、発光挙動が制御できることを示している。
第二点は空孔サイズの制御である。2次元系での大きな空孔には、例えば安息香酸アルキルのとりこみにおいて、大きなアルキル基が優先的にとりこまれる(例えばイソブチル/メチル=70/1)。1次元系での小さな空孔には、逆に、小さなアルキル基が選択的にとりこまれる(メチル/イソブチル=1/30)。ゼオライトでみられる空孔サイズのコントロールが“有機ゼオライト"においても可能であることを示している。
このように、相互作用の次元性のコントロールが機能設計において重要であることが判明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yasuhiro Aoyama: "Guest Binding Molecular Recognition, and Molecular Alignment Properties of a Bisresorcinol Derivative" Supramol. Chem.4. 229-241 (1995)

  • [文献書誌] Yasuhiro Aoyama: "The Solid-State Host-Guest Complexation of a Bisresorcinol Derivative of Anthracene." Tetrahedron. 51. 343-352 (1995)

  • [文献書誌] Ken Endo: "Guest-Binding properties of Organic Crystals Having an Extensive Hydrogen-Bonded Network." J. Am. Chem. Soc.117. 8341-8352 (1995)

  • [文献書誌] Yasuhiro Aoyama: "Crystal Engineering of Stacked Aromatic Columns." J. Am. Chem. Soc.118(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] Yasuaki Kikuchi: "CH-Pi Interaction As an Important Driving Force of Host-Guest Complexation." Bull. Chem. Soc. Jpn.69. 217-220 (1996)

  • [文献書誌] Yasuaki Kikuchi: "Interaction of Achiral Host and Guest in a Chiral Solvent As Studied by Circular Dichroism Spectroscopy." Supramol. Chem.5(印刷中). (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi