研究概要 |
本年度は、以下に以下に示す研究を行った。 (1)素構造(基本構造)の基礎的評価。アデニン、チミン、グアニン、シトシンの孤立核酸塩基分子の吸着構造のSTM観察を行った。Si,SrTiO_3,Cu表面上に分子を蒸着し、STMによってこの表面を観察した。表面との相互作用によってそれぞれの特性を反映した吸着形態、分子配列を形成することが明らかになった。 (2)計算科学による分子-表面相互作用の評価。分子軌道法による分子-表面吸着シミュレーションを行い、吸着分子の分子軌道を導いた。これを分子吸着表面の電子状態密度分布と比較し、STMによて得られた分子の形状、吸着サイト、吸着のエネルギー的評価、状態等の分子吸着現象を明らかにすることができた。 (3)STMによる異種核酸塩基分子識別。SrTiO_3基板に2種の核酸塩基分子、アデニン、チミンの共蒸着を行い、分子の識別を行った結果、分子の高さと大きさから“STMによる核酸塩基分子の識別"が可能であることがわかった。
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