研究課題/領域番号 |
07242103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
御園生 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20011059)
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研究分担者 |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
瀬川 幸一 上智大学, 理工学部, 教授 (60053675)
吉田 郷弘 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00025933)
泉 有亮 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00115528)
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キーワード | 触媒 / 触媒表面 / 触媒設計 / 液相有機合成 / 層状構造の強酸 / 吸着反応性 / 構造の要因 / 構造元素の役割 |
研究概要 |
(1)ヘテロポリ酸触媒-分子設計と応用への展開 計画班で、泉は、ヘテロポリ酸をポーラスなシリカマトリックス中に固定化した独自の環境調和型固体酸触媒について、高いイオン交換能を確認するとともに、固定化法に工夫を加え実用、汎用化に道をつけた。御園生は、特殊反応場である擬液相を生かしたメチルターシャリーブチルエーテルの低温高速合成、混合配位ポリアニオンを触媒とするベンゼン、アルカンの過酸化水素による高選択的酸化反応を実現している。 ヘテロポリ酸の合成、反応、構造については、公募研究で、山瀬が新規酸化物超分子の合成、各種分子、イオンのポリアニオン内へのマイクロカプセル化について新境地を開いた。 (2)表面科学と理論化学-触媒設計の重要なツール 計画班の岩澤は、触媒設計の基盤となる金属及び金属表面の原子レベルの構造および吸着ピリジン構造を新しい測定手法で明らかにした。公募班では、川合が、ニッケル金属表面におけるCO分子の吸着、反応の素過程、エネルギープロフィールを詳細な測定と解析により解明した。田中は、Pt-Rhバイメタル表面に生成するCO-NO反応に活性で反応中に形成される新構造を明らかにした。 理論化学においては、平尾、中井は量子化学計算によりCu-Zn複合酸化物上のメタノール合成反応やゼオライト触媒上の炭素-炭素結合生成反応について新規な活性点モデル、反応機構の提案を行い、触媒化学への量子化学の応用に新時代の到来したことを感じさせた。 (3)モデル反応-新特殊反応場の提案と実証 計画班の吉田は、アモルファス合金の構造をXASにより解析した後、NO還元反応に適用し活性点について貴重な知見を得た。瀬川は、超臨界流体という特殊反応場を生かしブテンによるイソブタンのアルキル化反応中の活性劣化抑制を試み成果を上げた。 公募班では、複核金属錯体を用いた反応及び配位構造の解析により、黒澤、小宮は、多核Pd、Pt-Mo錯体複核活性点の構造、反応にみられる特徴と有効性を明らかにした。篠田は、Ru-Sn複核錯体によるメタノールからの酢酸合成に顕著な成績をあげた。町田は、希土類を含む複合合金の修飾により窒素の吸蔵に好成績を上げた。丸岡は、ルイス酸に結合する配位子を設計して特殊反応場を有する触媒を構築し巧妙な合成反応を実現した。大谷は、独自のアイデアにより特殊反応場を形成したPt、CdS表面を用い立体選択的光合成に成功している。北川は、錯体ドープ型ゼオライト触媒の合成に成功し新しい特殊反応場材料を提供するとともに新ゼオライトの体系化の糸口をつけた。
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