研究課題/領域番号 |
07242105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
服部 忠 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (50023172)
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研究分担者 |
宮本 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50093076)
橋本 健治 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20025919)
竹澤 暢恒 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60001715)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 固体触媒 / 触媒材料 / 触媒設計 / 固体反応場 / 先導的環境触媒 / 特殊反応場の構築 / 触媒活性点のデザイン / 分子ダイナミックス |
研究概要 |
A04班では、特殊反応場における分子のダイナミックスを明らかにする事を目的として、触媒化学、反応工学、計算機化学など諸分野約20名の班員の協力により研究を推進した。その結果、次世代の触媒設計指針を得ることができ、また、分子反応工学という新しい分野を構築した。 例えば、特殊空間における分子ダイナミックスと触媒作用については、分子反応工学の構築という視点から最も興味深いのは、NO選択還元反応におけるゼオライト細孔内拡散の影響である。服部は、Co-モルデナイト触媒上でのプロパンによるNO還元反応の触媒有効係数が1以下になること、Cu-ゼオライトでは拡散の影響が見られないこと、Cu-ゼオライトでもプロピレンを還元剤とする場合に拡散律速になると結論した。これに対して、宮本は各種のイオンと分子の組み合わせについて相互作用エネルギーを量子化学計算により求め、橋本はゼオライト細孔内拡散が当該分子及び共存分子の吸着挙動によって左右されることを示し、この結論を支持した。 特殊空間内の触媒作用という点で興味深いのは、メソポーラスシリカの触媒作用である。阪田は異元素を含まないメソポーラスシリカがポリプロピレンを高い活性でラジカル的に分解することを見出し、一方、服部はメソポーラスシリカが光メタセシスに触媒活性を有し、ラジカル的な活性点を持つことを見出した。ここでも反応工学と触媒化学の融合が図られている。 特殊反応条件における触媒作用、この分野で最も興味深いのは、高橋による特殊雰囲気の利用による気固系ベックマン転移触媒の劣化抑制である。本重点領域研究の開始時には触媒寿命は半減期で約360時間であったが、触媒にPtやAsを添加し、反応ガスにメタノールと酸素を共存させて2300時間にまで半減期を延ばし、工業化の目途とされる5000時間にかなり近づいた。
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