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1995 年度 実績報告書

時間分解赤外分光による固液界面の触媒反応過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07242208
研究機関北海道大学

研究代表者

大澤 雅俊  北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (00108466)

キーワード固液界面の触媒反応 / 電気化学反応 / その場赤外分光測定 / 時間分解スペクトル / 二次元相関解析 / 反応中間体 / 水
研究概要

本研究は,電気化学反応で代表される固液界面での触媒反応過程を,時間分解赤外分光法を用いて,分子レベルで解明するものである.われわれが開発した表面増強赤外分光という新手法と,時間分解測定が可能なFT-IRの組み合わせて,マイクロ秒から秒のオーダーの時間分解測定を可能にした.分光測定はすべて電気化学測定と平行して行い,両者の比較により反応過程を検討した.
1.二次元相関解析法の開発
反応過程の時間分解スペクトルには反応種,生成種,場合によっては反応中間体の吸収が重なり合うので,その解析が困難になることが予想される.これを解決する方法として,時間で強度ならびにピーク波数が変化するバンドの相関性ならびに非相関性を解析することによって,多数のバンドをそれぞれの化学種毎に分類する手法を検討した.これによりいくつかの系で微量な反応中間体を検出することができた.
2.電極/電解液界面における水分子の挙動
電気化学反応において水は異なる溶媒ではなく,反応場である電気二重層の構成物質であり,さらに反応種でもある.よって,固液界面の触媒作用を考えるうえでまず第一に検討しなければならない課題である.電極としてはAu(111)単結晶表面を用いた.界面の水は印加する電位によって4つの異なった構造をとること,正に帯電した表面では氷状構造をとること,分子やイオンの吸着によってその構造が大きく乱されること,などを初めて見いだした.また、二元合金電極の触媒作用を検討する準備として,異種金属原子を吸着させた電極表面における水ならびにイオンの吸着挙動を検討した.ただし,触媒作用における水分子の役割を明らかにするには至らず,今後の検討課題とする.
以上,実験手法がほぼ完成したことにより,固液界面の触媒反応の本質を探るための本格的な研究を開始する見通しがついた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M. Osawa: "Potential-Dependent Reorientation of Water Molecules at an Electrode/Electrolyte Interface Studied by Surface-Enhanced Infrared Absorption Spectroscopy" J. Phys. Chem.(印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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