本研究の目的は ・種々の評価や応用が可能なセンチメーターレベルのゼオライト単結晶の合成 ・異なる細孔を接合させるための単結晶上でのゼオライト薄膜のエピタキシャル成長 の2点である。十分大きな単結晶の合成とこれを基板とした薄膜化技術を開発することができれば、一次元の分子レベルの細孔を三次元の細孔とつなぎその先で封止するというような究極の構造制御、およびこれをもとにした特殊反応場の創出が可能となる。本年度はゼオライト単結晶の育成を中心に検討を行った。 以下の異なる手法を用いて、ミリ〜センチメーターサイズの結晶育成を検討した。 (1)高温高圧水熱法 aluminosilicate sodalite(as-SOD) Na6[Si6Al6O24](NaCl)2 cancrinite(CAN) Na6[Si6Al6O24]・NaNO3 (2)フラックス法 aluminate sodalite(a-SOD) Sr8[Al12O24](CrO4)2 aluminosilicate sodalite(as-SOD) Na6[Si6Al6O24](NaCl)2 (3)Floating Zone法 aluminate sodalite(a-SOD) Sr8[Al12O24](CrO4)2 aluminosilicate sodalite(as-SOD) Na6[Si6Al6O24](NaCl)2 これまでの成果より、フラックス法、高温高圧水熱法を用いてミリメーターサイズで結晶を育成できる目途がたった。更にFZ法やシ-ドを用いたフラックス法、高温高圧水熱法を用いることによりセンチメーターサイズの結晶成長を目指す。これらを基板として、ゼオライト薄膜をヘテロエピタキシャル成長させることにより、異なる細孔を接合させ、細孔空間のネットワークを実現し、特殊反応場の創出に展開していきたい。
|