研究分担者 |
喜多 一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20195241)
北村 新三 神戸大学, 工学部, 教授 (80029131)
矢野 雅文 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80119635)
金子 邦彦 東京大学, 教養学部, 教授 (30177513)
蔵本 由紀 京都大学, 理学研究科, 教授 (40037247)
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研究概要 |
1創発システムの特性解析 (1)非局所結合をする非線形振動子系の大域特性を解説し,統計的な自己相似構造を持つ時空カオスという特異現象が存在することを発見した. (2)運動性素子系における群れ形成現象について解析し,群れの規則-不規則転移がある無次元のコントロールパラメータによってコントロールされていることを明らかにした. (3)サイズ効果のある大数自由度のレプリケーター方程式の漸近特性を解析し,この種の系ではある誘導時間の後,系内部のダイナミクスにより突然ある値にまで要素数が減少する現象(大絶滅)が存在することを発見した. 2創発システムの機能解析 (1)代謝反応ダイナミクスを持つ増殖素子系では,振動位相のクラスター化→内部構造の分化→分化の固定化という経路で多様性の発現とその維持が行なわれていることを明らかにした. (2)複数音源の定位の機構を実験的に検討し,音源定位は両耳間の時間差と音圧差を抽出しそれを統合することによって行なわれていることを明らかにし,聴覚抹消神経の数学モデルを構成した. 3創発システムの逆問題解析 (1)レプリケーター方程式の最適化機能について検討し,組合せ最適問題の近似最適解が逐次分岐解にコードされることを明らかにした. (2)遺伝アルゴリズムにおける多様性維持機能について検討し,その多様性を制御可能となるアルゴリズム,熱力学的アルゴリズムを提案した.また突然変異確率を変化させるメタルールを導入したアルゴリズムを検討し,収束性が大幅に改善されることを明らかにした. (3)ゲーム方程式の均衡解がカオスになる場合について検討し,その戦略を修正することにより,系のパフォーマンスを低下させることなくカオスを安定化し,均衡点を安定平衡解にできることを明らかにした. (4)非線形振動子系における位相同期のメカニズムの解析をもとに,位相差を環境変化に対応して自由に制御することのできる制御系の構成,及び制御則を提案した.
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