研究課題/領域番号 |
07243208
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内川 嘉樹 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023260)
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研究分担者 |
石黒 章夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (90232280)
児玉 哲司 名古屋大学, 工学部, 助手 (50262861)
古橋 武 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60209187)
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キーワード | 免疫情報処理機構 / 免疫ネットワーク / 行動型人工知能 / 自律移動ロボット / 並列分散的コンセンサス決定 / 動的行動調停 / 創発 / 自己存続 |
研究概要 |
近年、人工知能の分野では、従来の機能的分解に基づくアプローチの限界が指摘されはじめ、動的に変動する環境の中でもロバストかつ柔軟に作動する行動に基づくアプローチ(行動型人工知能)が注目を集めている。このアプローチは、センサ情報から独自に認識・判断して駆動系に命令を出す多数のエージェント(要素行動)を用意し、そのエージェント間の競合・協調の結果としてシステム全体の動作を動的・創発的に発生させるものである。しかしながら、適切な行動出力を得るためにに要素行動間の行動調停をいかに行うかが大きな問題となっている。 一方、生体内の情報処理機構の一つである免疫系は、最近の医学・生理学の研究を通して、各種リンパ球細胞が体液中を単にばらばらに浮遊しているのではなく、相互にコミュニケーションをとることにより、高度な情報処理機能をシステムレベルで実現していることが明らかになってきた。この機能は、脳神経系とは異なる新しい並列分散処理アルゴリズムを提供するものと期待される。 上記の考察に基づき、申請者らは免疫系の工学モデルの構築ならびにその人工知能分野への応用に関する研究を進めている。平成7年度の研究では、自律移動ロボットの動的行動選択問題への適用を念頭に置き、ロボットのセンサが検知する外部環境に関する情報を抗原に、またロボットの取り得る各種要素行動を抗体と捉え、抗体を他の抗体に対して自律性・従属性を主張する相反する二つの部位で表現し、ネットワークを構成することにより、状況(抗原)に応じた適切な行動(抗体)が選択可能であることを示した。本手法は、ファジィ推論等とは異なり、最終的なコンセンサス決定がネットワークダイナミクスを通して並列分散的・ボトムアップ的に行われるため、広範な応用範囲を持つものと期待できる。また、遺伝的アルゴリズムを用いた抗体間の結合親和性の調整および強化学習機構を用いた抗体間の結合の自律的生成も併せて試み良好な結果を得た。
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