(1)生物の行動を擬して、事前の不確かな情報・論理での予測による行動と、事後の経験に基づく学習による行動基準の改訂の関係を記述するモデルを、ブートストラッピング系と名付けて、それをセルオートマンに適用した系の挙動を詳しく調べた。このシステムが、カオス辺縁に自己組織化して臨界的な挙動をすること、予測不能で創発的性質を持つことを確かめた。発表論文の他に、投稿中の論文が1篇ある。 (2)上記のブートストラッピング系を、離散写像系に適用し、不確実な論理としてファジイ論理を使う系の挙動を計算機実験によって調べた。その結果、このモデルによって昆虫の生態系の安定性、生体内化学反応・神経系のカオス辺縁への自己組織化を説明できる見通しを得た。論文2篇を投稿準備中である。 (3)(2)によってカオス辺縁に自己組織化した神経回路網の機能を調べている。 (4)同じモデルをゲーム理論に適用して、生物進化での競合と共生との関係を明らかにするモデルの挙動を調べている。
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