研究概要 |
本研究は,人工現実感という新しい概念について4つの研究班の視点,すなわち機構解明,インタフェース,世界構築,応用評価,を総合して研究を進めてきた特定(重点)領域研究である。総括班では,これらの研究活動全体を統括し,会議と電子メディアを駆使して,各班の成果を有機的に連携させ,本テーマの基礎の確立を実現した。本研究に参加した研究者を集める全体会議は,3年間に亙って毎年2回,合計6回を実施した。各年度末に当たる全体会議では,各2日の日程において全グループが研究成果を発表した。平成8年度の全体会議では,SCS(Space Collaboration System)を利用して,遠隔会議も実施している。また,これらの成果を取りまとめて,各年度毎に研究成果実績報告書を発行した。一般国民へ研究成果を伝達する公開シンポジウムも,年1回合計3回開催した。平成7年度は,無線画像通信路を設営して,近郊の6研究室を接続し,リアルタイムで実験風景を紹介した。平成9年度は,最終年度であるため,全国10個所の拠点施設で大規模な公開シンポジウムを実施した。本研究の成果を一般に公開すると共に,研究者間の情報交換を促進するために,WWWによる成果の公開やメーリングリストの設置も行った。また,印刷物のニューズレターも,毎年3回発行し,研究成果や行事日程の周知を図った。総括班会議は,合計10回開催し,全体活動の推進方策について議論し,各種行事の企画立案,調製実施を行った。更に,平成10年度における取りまとめ研究に関連して,最終報告書の編集計画および,それに基づく一般学術図書の発行準備などを進めた。また,平成10年度の研究成果公開促進費による公開シンポジウムについて,開催に向けた申請準備などを行った。以上の活動により,我が国の人工現実感に関する基礎的研究を強力に推進せしめ,またそれを一般国民に周知することを実現した。
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