研究分担者 |
金井 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90194878)
横井 茂樹 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (20115744)
原島 博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60011201)
桐山 孝司 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (10234402)
池井 寧 東京都立科学技術大学, 工学部, 助教授 (00202870)
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研究概要 |
人工現実感の研究において,仮想世界の中に作り込む内容(コンテンツ)自体が重要な研究課題である。第3班の研究では多様な仮想世界を創出するための道具立てを整備し,それによってさまざまな仮想世界を創出し,その可能性について吟味することが目的となる。具体的な成果としては,以下の通りである。 1.仮想世界提示用ワークベンチの開発:VR環境の整備をし,仮想世界を高い臨場感で体験するための多面形立体映像表示装置を開発した。あわせて,様々なソフトウエアをその環境において動作させるための基本ソフトウエアの開発を行った。 2.シミュレーション世界の構築のための基本ソフトウエア:シミュレーションによって,仮想世界を創出するための基本的なソフトウエアの開発を行った。たとえば,仮想世界の構築のための物体の対話操作のシステムを作り,形状モデルを3次元的に確認・操作可能な人工現実感生成技術を開発した。仮想空間の物理法則をシミュレーションすることを試み,仮想物体同士が接触した際に,発生する挙動を検討し,接触と滑り,回転などの表現を実現した。 3.様々なデータ源による仮想世界の演出:従来の,ポリゴンによる3D幾何モデルを使用しないで,仮想世界を創出するための方法論について,研究をした。仮想世界における映像生成時に実写映像を用い,映像的に質の高い仮想空間を構築した。特に大規模なウオークスルーを実現するために,広範囲にわたる画像データベースの取得やその管理,また,データベースから自由度の高い仮想空間を構築るための再構成手法を開発した。さらに,カメラで撮影した画像から三次元空間中における光線の振舞いを解析し,光線情報の不足している視点位置を探索しながら順次撮影を行うことにより,効率的に三次元空間情報を取得する手法を開発した。 4.高速画像回線を用いたネットワーク型仮想世界の創出:ネットワーク上の展開した,あるいは,ネットワークを利用した仮想世界についての研究を行った。たとえば,機械の操作や組み立て等の三次元的な作業の遠隔指示を支援するシステムを開発した。特に,超広視野の映像を提供できる遠隔地間コミュニケーションシステムを開発し,人間の周辺視野部の映像が作業やコミュニケーションの中でどのような役割を果しているかを解明した。
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