近年、人口現実感あるいは仮想現実感と呼ばれる研究が盛んである。我々が人間の行動を分析して、疑似体験構造をリアルに違和感なく五感に感じさせるには、ソフト・ハードの融合が不可欠になる。その一つの課題として仮想生物の研究がある。新しい試みとして人間の音声に含まれる話者の基本的感情をニューラルネットワークを利用して認識し、コンピュータ・グラフィクスで作った人間の表情と音声によって反応するシステム「ニューロベビ-(NB)」を構築する。本システムは、話者がディスプレイのキャラクターに話しかけてその反応により実際に人と話をしているような疑似体験が出来るようになる。また本システムは、ハードウェア・インターフェースとして握手マシーンを持つ。握手した力がフィードバックされることにより現実感を増すことになる。このように本システムは、人間からの特徴量を認識し反応することによって、人間の聴覚、視覚、触覚に働きかけることいよって現実感を与える。 本年度は8月にロサンゼルスで行われたSIGGRAPH`95においてロサンゼルスと日本を結びUSA用のニューロベビ-と日本用のニューロベビ-でお互いの感情をニューロベビ-を介して交信する実験を行った。その際、何パターンかのニューロベビ-を用意して感情の伝わり方を変化させた。
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