研究概要 |
本研究では,CG映像の作成,つまり,人工現実世界構築のためには,(1)人工現実世界構築の容易性(2)リアルさの表現(3)バーチャル生物の個体差の表現(4)汎用性を考慮する必要性等があると考えている.そこで,今年度我々は,2次元の画像を入力として,容易に3次元モデルを作成できる「簡易モデル作成システムに関する研究」および,人工現実世界内で仮想生物の動きを容易に表現できる「仮想生物の動きの生成に関する研究」を行った. 「簡易モデル作成システム」においては,図鑑から入力した魚の画像を用いて,魚の抽出,魚本体とヒレ部分への分割を行い3次元モデルを作成した.最終的には,入力画像をテクスチャとして利用し,リアルな魚の3次元モデルを作成した.また,人間の顔を撮影した画像に対して,画像処理を施し,頭髪領域を抽出し,その頭髪領域を利用した,頭髪の3次元モデリングに関する研究も同時に行った.現在のところ,顔の正面画像しか利用していないため,正面からみた3次元モデルはリアルに作成できていることが明らかとなった. 「仮想生物の動き生成」においては,仮想金魚の動き,特に群行動の創発に関する研究や水槽中の金魚を複数のカメラで撮影しその動きを抽出し仮想金魚の動きに利用する研究を行った.群行動の創発に関しては,基本的な個体の運動の定義と群の定義をするだけで,魚の群行動を創発することができた.また,画像処理を用いた動きの抽出においては,5(frame/sec)で撮影した映像から,重心位置を抽出し,重心位置の補間および金魚の方向の推定を行い30(frame/sec)での仮想金魚の動きを表現することができた.本年度は,これらの多くの研究成果を挙げることができた.
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