研究課題/領域番号 |
07245103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 立命館大学 (1997) 東京大学 (1995-1996) |
研究代表者 |
有本 卓 立命館大学, 理工学部, 教授 (00029399)
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研究分担者 |
金子 真 広島大学, 工学部, 教授 (70224607)
内山 勝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125504)
吉川 恒夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60026177)
中村 仁彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20159073)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 技量 / ロボット / 多指ハンド / 生体工学 / インピーダンス / 反射行動 / 手作業の解析 / 組立作業 |
研究概要 |
手は脳の出張所といわれる。人間の手先の器用さは、人類進化の過程で遺伝子に取り込まれ、素質として定着したと考えられる。このような素質を技量の源泉とみなし、これを何らかの力学原理として表現することが本研究の目的である。本研究の成果は、「幾何学的拘束化の手作業の解析」、「作業過程に探る技量の本質」、「生体に探る技量の本質」、「技量のシンセシス」という観点より、以下のように、整理、総括される。 1.「幾何学的拘束下の手作業の解析」:幾何学的拘束下にあるロボットの運動が回路表現できることを見出し、これにより、位置と力の制御を同時に達成するハイブリッド制御が直流解析できることを示唆した。また、ピン挿入作業のシミュレータの開発に取り組み、より自然な仮想現実の実現を追及した。 2.「作業過程に探る技量の本質」:対象物との接触を伴う人間の手作業を基本作業に分類し、各要素について、力学諸量の計測を行い、手先技量の分析を進めた。作業の評価に、作業中の人間の意思までも含めることにより、人間の技量の本質に現象面から迫った。 3.「生体に探る技量の本質」:インピーダンスに注目し、まず、人間の腕のインピーダンス特性の計測より始め、インピーダンスをどう使いこなすか、あるいは、また、インピーダンスの限界についても研究を進め、生体工学の立場より、人間の技量の本質に光を当てた。また、多指を用いた作業能力の計測と解析についても、積極的に研究に取り組んだ。 4.「技量のシンセシス」:センサと反射行動を結び付ける非線形構造を導入し、そのパラメータの学習を通して、創発運動の学習過程の抽象化を行った。組立作業の自動計画についても研究に取り組み、幾何学、力学の数理解析に基づき、要素作業の自動計画に成功した。一方、運動・力・コンプライアンスを自在に制御できる統合制御システムを完成させ、高速に運動するパラレルロボットに組み込んだ。さらに、自然な運動(natural motion)の概念を提案し、より効率的な運動の実現を目指した。また多指ハンドによるscale-dependentな包み込み把握を実現した。
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