平成7年度の目標は、(1)ポッケルス係数、2・3次の非線形電気感受率の測定、(2)有機結晶コアファイバーの作成と評価および(3)EO光変調デバイスの設計であった。 (1)に関しては、有機結晶MNAを用いて大型薄膜単結晶あるいはチャネル型単結晶育成に成功しており、これらを用いた干渉法によるポッケルス係数測定を現在、検討中である。光源にはチタニウムサファイアレーザーを用い、メーカー・フリンジ法による2次の非線形電気感受率およびその波長分散測定によりポッケルス係数、電気感受率相互の関連を明らかにする実験を続行中である。 (2)に関しては、有機結晶DMNPのファイバー・コア中への単結晶化を終え、チェレンコフ放射方式位相整合SHGを利用して、単一モード伝搬の条件を明らかにすると共に、直流印加電場による変調実験に着手した。 (3)に関しては、有限要素法などを駆使して、ファイバー内電場分布の理論解析を行った。これにより電極構成を検討すると共に、3dBカプラー、マッハツェンダー干渉計型変調器あるいは方向性結合器構築のための基本設計を行う。 その他、電場配向ポリマーの配向緩和抑制方法として水素結合疑似クロスリンクポリマーの提言を行い、PBDTを用いた実験においてその有効性を確認する一方、MNA単結晶分極反転構造を有する平板導波路により初めて、角度同調による疑似位相整合SHGの基礎実験にも成功した。また、フォトリフラクティブ・ポリマーを用いて、自己組織化位相整合SHGが可能であることを示した。
|