本年度は従来に引き続き、(1)ポッケルス係数、2・3次の非線形電気感受率の測定、(2)有機結晶コア・ファイバーのEOデバイス化のための電極構成の検討、(3)非線形ファイバーを用いた超短光パルスの発生に関する基礎的検討を行うと共に、(4)フォトリフラクティブ・ポリマーの線形・非線形光学特性についても独特の考察を行った。 (1)に関しては、有機結晶および電場配向ポリマーの空間光変調素子への応用を念頭に、透明櫛型電極を設けたガラス基板を用いて、光偏向素子の形態での有機MNA結晶、ウレア・ポリウレタン共重合ポリマー、3RDCXYポリマーのポッケルス係数測定を行うと共に、セナルモン法による評価との比較、検討を行った。さらにZ掃引法を用いて、MNAの非線形屈折率を測定し、PDAと遜色の無い大きさを有することを明らかにした。この結果は、(3)で行ってきた有機非線形結晶を用いた結果と極めて良く一致している。(2)に関しては、ガラス・クラッドを薄い平板として電極を設け、従来より1桁低い電圧で従来と同様の結果を得るに至り、変調電場の周波数依存性を調べて超高速変調の可能性の検討に着手した。(3)に関しては、実験的・理論的にモノサイクル・パルス達成の可能性を確認した。また(4)に関して、チェレンコフ方式SHGと共に増大することから、コアの屈折率がクラッドに比べて低くなる非道波構造が構築されることを見出した。
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