研究課題/領域番号 |
07247102
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
手嶋 政廣 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40197778)
|
研究分担者 |
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
吉田 滋 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (00272518)
佐々木 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40242094)
湯田 利典 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (60092368)
永野 元彦 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (00013384)
|
キーワード | 宇宙線 / ガンマ線 / 宇宙線起源 / 空気シャワー / チェレンコフ光 / 大気シンチレーション光 / カニ星雲 |
研究概要 |
本計画の目的は、複数台の大口径の望遠鏡により宇宙線を精度良く測定し、最高エネルギー領域宇宙線、およびTeV領域ガンマ線を研究することにある。 平成7年度、平成8年度に2台、3台の望遠鏡を山梨県明野観測所、および米国ユタ州ユタ大フライズアイサイトに設置し、まず、基礎データの収集をおこない、望遠鏡の性能が当初の計画どうりであることを確認した。さらにカニ星雲、活動銀河Mkn421からのTeV領域ガンマ線観測をおこなった。また、NdYAGレーザーを用い、大気中で発達する最高エネルギー領域宇宙線からの空気シャワーを実験的にシミュレートした。 カニ星雲の観測データからは、非常にきれいにガンマ線の信号を取り出すことに成功した。ひとつは、それぞれの望遠鏡で独立にデータを解析し、60hrの観測データから10σを越える優位性でTeV領域ガンマ線を見い出した。また、ユタでの20hrのデータを使って、2台の望遠鏡によるシャワーのステレオ解析(立体的再構成)を試みた。やはり10σを越える優位性でTeVガンマ線の信号が見い出された。ステレオデータは統計的に数は少ないのであるが、データとしての質が高く、陽子、原子核である宇宙線によるバックグランドの排除効率が非常に高い。ステレオ解析では少ない統計でも十分に信頼のできる結果を得ることができるとわかった。また、レーザーによる疑似空気シャワーを使って、我々の望遠鏡により最高エネルギー領域宇宙線の到来方向が、そのトラックイメージの解析から0.03度の精度で決定できることがわかった。
|