(1)活動銀河中心核のなかで最も激しい活動性を示すBlazarからのガンマ線放射の研究を進めた。逆コンセプトン散乱モデルを採用し、電子スペクトルの形を衝撃波加速理論と斉合的になるように定めて、観測と比較することによりジェットの物理量を決定した。その結果、相対論的ジェットが電子陽電子対から成る可能性が高いことを見い出した。3C279については、紫外域の外部軟光子が必要となること、MRn.421については、最近発見されたReV-TeVフレアを説明するために、源の多重構造及び赤外域の外部軟光子が必要となること、3C273に対しては、強い紫外線放射が存在するため加速域・放射域が充分遠距離にあることが必要であること等を見い出した。 (2)超新生残骸での宇宙線加速について、斜め衝撃波における統計的粒子加速の研究を行なった。解析的検討及びモンテカルロシミュレーションを使って、加速時間が平行衝撃波の場合に比べ2桁程度短縮されうることを示した。宇宙線とガスとの衝突によるガンマ線放射の観測との対比についても検討した。 (3)パルサーからのガンマ線放射の研究を行なった。磁極付近で加速された電子が曲率放射、強磁場中の一光子吸収、生成された電子陽電子対によるシンクロトロン放射というカスケード過程によって放出するスペクトル、パルス波形を計算しCrabパルサーと比較した。星雲中に放出される二次粒子のスペクトルも求めた。
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