研究課題/領域番号 |
07252230
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
渡辺 正孝 (財)東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門・副事研究員 (50092383)
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研究分担者 |
白川 修一郎 国立精神神経センター, 精神保健研究所, 精神保健研究室長 (20100141)
小田桐 恵 東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門, 主事研究員 (10260308)
彦坂 和雄 東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門, 主事研究員 (60129004)
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キーワード | 前頭連合野 / 学習 / 機能的再編成 / 遅延反応 / ニューロン活動 / 神経回路 |
研究概要 |
「学習に伴う機能的再編成」という場合には、長期にわたる学習経験により脳内の機能地図が書き換えられるような現象を指して言う場合が多い。しかし本研究では課題が変更になる、などのような「状況の変化」に応じて速やか、かつダイナミックになされる現象を問題とする。こうした「機能的再編成」は「空間的遅延反応課題」のversionの違いによっても見出される。実験の手続きおよび結果は次のようにまとめられる。 (1)遅延反応課題で報酬が「餌報酬」か「液体報酬」かという違い、餌を直接見せる(直接法)か見せないか(間接法)という違いにより3種類の課題((1)直接法-餌報酬、(2)間接法-餌報酬、(3)間接法-液体報酬)をサルに訓練する。 (2)前頭連合野には、(イ)直接法と間接法の間で、機能的に異なった働きをするもの、(ロ)餌報酬と液体報酬の間で機能的に異なった働きをするもの、(ハ)直接法と間接法の間でも、また餌報酬と液体報酬の間でもともに、機能的に異なった働きをするもの、という3種類の多重機能ニューロンが見出された。 (3)課題が変化するとこうした前頭連合野ニューロンは、ほとんど1試行の経験のみで速やかに新しい機能的役割を果たすようになった。 (4)前頭連合野の各ニューロンは、潜在的にいろいろな機能を果たし得る能力をもっており、学習によりそのうちのいくつかの機能を実際に持つようになる。そして状況が変化した時(課題が変わった時)には、前頭連合野内で速やかにそれに応じた神経回路の「機能的再編成」がなされ、各ニューロンもそれに応じた活動をするようになると考えられる。
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