研究課題/領域番号 |
07262216
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
渡辺 憲二 姫路工業大学, 理学部, 教授 (00079691)
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研究分担者 |
織井 秀文 姫路工業大学, 理学部, 助手 (70211836)
阿形 清和 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (70167831)
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キーワード | プラナリア / 再生 / 前後軸 / 咽頭 / 脳 / ミオシン重鎖遺伝子 / HOX遺伝子 |
研究概要 |
多細胞生物の原型をもち、再生能力も強いプラナリアは動物の基本体制を解析する有力な動物である。プラナリアにおいて領域特異性がどのように決定されるかを、I.前後軸の決定に相関の高いHOX遺伝子の発現、II.体の中央に位置する咽頭や前方の脳に特異的な遺伝子の発現によって調べた。構造からHOX遺伝子と推定された5種類のうち、2種類について、前後軸に沿っての発現をRT-PCRによって調べた。遺伝子0004および1053はいずれも尾を頂点として頭へ減少する勾配をもって発現していた。遺伝子0004は咽頭の前部から、1053は咽頭の後部から発現の上昇がみられた。遺伝子1053は切断2日目の頭部断片では発現の上昇がみられ、尾部断片では発現の低下がみられた。再生過程では、HOX遺伝子の発現は再生芽も含めた体全体で再構築されると考えた。咽頭に特異的に発現するMHC遺伝子をプローブにして、咽頭のない断片からの咽頭の再生過程を調べた。MHC陽性細胞は咽頭形成予定領域の周辺に発現し、再生芽に由来しないことが明らかになった。プラナリアの再生においては、失われた組織の再構築は再生芽に限らず、体全体で起こると考えられた。PC2遺伝子は脳と腹側神経索の神経分泌細胞に発現する。PC2陽性細胞は脳と腹側神経索の間に明確な境界を形成し、脳が腹側神経索の一連の神経節の単なる頭部の膨大部ではなく、独立な中枢であることを示唆していた。
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