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1995 年度 実績報告書

アルドラーゼをモデル系とするアイソザイムの組織特異的機能獲得の分子機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07265224
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

堀 勝治  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (30037353)

キーワードアイソザイム / アルドラーゼ / キメラ分子 / 酵素 / 組織特異性 / 分子進化 / 解糖系
研究概要

脊椎動物アルドラーゼには組織特異的に機能する3種類のアイソザイムA型(筋型),B型(肝型),C型(脳型)がある。これらのアイソザイムは機能する組織の糖代謝ならびにエネルギー代謝上の必要性から2つの基質fructose-1,6-bisphosphate (FB)とfructose-l-phosphate (FlP)に対する動力学的挙動が著しく異なっている。
われわれはアルドラーゼ分子上に各アイソザイム固有の配列(IGS)が4カ所存在すること、A型-B型間のキメラ酵素の機能解析の結果からA型の特性を表すためにはIGS-1と4が不可欠であることをすでに報告しているが、本研究ではB型-C型間、A型-C型のキメラ酵素を用いて機能解析を行なった。その結果、A型と同様、B型とC型も主にIGS-1と4がアイソザイム固有の特性を担っていることが明らかになった。
キイロショウジョウバエのアルドラーゼは単一遺伝子からカルボキシル末端領域の31個のアミノ酸配列に対応する3つのエキソンを選択的に使い分けることによって、3種類のアイソザイム(アルドラーゼα,β,γ)をつくりだしている。われわれは大腸菌発現系を使ってこの3つのアイソザイムをつくり、各アイソザイムの動力学的性質を解析した。その結果、この3つの酵素は二つの基質に対する特異性、二つの基質に対する活性比、基質との親和性、組織分布等に関して相互に異なっていることが確かめられた。これらの性質の差は選択的スプライシングによって使い分けられた領域の配列の差に起因するが、この領域は脊椎動物アルドラーゼのIGS-4に対応する。このことは脊椎動物以前の生物においても脊椎動物のIGSに対応する配列が酵素の特異性の決定に関わっていることを示しており、アイソザイムの機能獲得にこれらの配列が関わっていることを実験的に証明することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Zhang Rong: "Structures of cDNAs Encoding the Muscle-Type and Non-Muscle-Type lsozymes of Lamprey Fructose-1,6-Bisphosphate Aldolases and the Evolution of Aldolase Genes." Journal of Biochemistry. 117. 545-553 (1995)

  • [文献書誌] Zhang Rong: "Drosophila melanogaster Aldolase : Characterization of the lsozymes α,β,γ Generated from a Single Gene." Journal of Biochemistry. 118. 183-188 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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