研究課題/領域番号 |
07269218
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
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研究分担者 |
本田 浩章 自治医科大学, 医学部, 助手 (40245064)
堺 隆一 自治医科大学, 医学部, 助手 (40215603)
間野 博行 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90240704)
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キーワード | 造血幹細胞 / 遺伝子導入 / レトロウイルスベクター / 自殺遺伝子 / アポトーシス / ストロース細胞 |
研究概要 |
造血幹細胞へのレトロウイルスベクター法による遺伝子導入効率は、まだ充分満足できるものではない。造血幹細胞とウイルス産生細胞の共培養法は遺伝子導入効率が比較的良好であるが、造血幹細胞の分離が容易でないという難点がある。そこで本研究では、新しく開発されたアポトーシス誘導遺伝子を自殺遺伝子として予めウイルス産生細胞に導入しておき、造血幹細胞を効率よく分離・回収できるシステムを検討した。即ち、造血幹細胞への遺伝子導入が終了した時点で、ウイルス産生細胞のアポトーシスを誘導し、短時間で選択的に破壊して取り除くという方法である。具体的には、Fas/エストロゲン受容体キメラ遺伝子を新規自殺遺伝子として用いた。即ち、Fas受容体のリガンド結合領域を除いた部分(細胞膜貫通領域と細胞内領域)とエストロゲン受容体のリガンド結合領域のキメラ蛋白質をコードする遺伝子(MfasER)を細胞に導入しておき、必要時にエストロゲンで細胞死を誘導した。モデル実験として、MfasER発現ベクター(pCMXMfasER)を導入したストローマ細胞と造血系細胞株のFDC-P1細胞を共培養し、非付着性FDC-P1細胞を取り除いた上で、エストロジオール処理による付着性FDC-P1細胞の回収を試みた。その結果、エストロゲン処理でストローマ細胞のアポトーシスを誘導することにより、付着性造血系細胞の回収が容易になることが示された。また、ストローマ細胞のアポトーシスが短時間で効率良く誘導されることは、形態学的観察、XTTアッセイによる細胞増殖動態の検討、DNA断片化の検出(細胞質分画から抽出したDNAのアガロースゲル電気泳動、細胞質中のヒストン結合DNA断片を検出するCell Death Detection ELISA)により確認された。
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