研究課題/領域番号 |
07272105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川名 尚 東京大学, 医学部・附属病院(分), 教授 (90010272)
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研究分担者 |
野澤 志朗 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (90051557)
野田 起一郎 近畿大学, 医学部, 学長 (60088531)
杉森 甫 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50038642)
関谷 宗英 千葉大学, 医学部, 教授 (00092065)
矢嶋 聡 東北大学, 医学部, 教授 (80004993)
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キーワード | 子宮頸部異形成 / 生活習慣 / ヒトパピローマウイルス / 性感染症 |
研究概要 |
子宮頸部異形成のリスクファクターに関わる因子を、臨床系の10機関の症例を集め疫学的並びにウイルス学的に検討した。 対象としては、生検によって子宮頸部異形成と診断されたケースと背景をなるべくそろえたコントロールを用いた。検査の精度を同一にするために、子宮頸部異形成の病理組織学的診断、ヒトパピローマ(HPV)の検出、血清抗体の測定は、それぞれ一班員が全ての検体について検討した。 (1)生活習慣に関するアンケート調査 ケースとコントロール97ペアについて、生活習慣に関する項目を質問形式で調査した。その結果、子宮頸部異形成と有意な関連性または、量・反応関係が認められたのは、1.出産回数 2.初回妊娠年齢または初産年齢 3.性的パートナーの数 であった。以上の変量を含む多変量解析でも、補正後の相対危険度の大きさは特に変わらずこれらが独立した危険因子であることが示唆された。 (2)感染性因子と関連性 93ペアについて、PCRによるHPVの検出、HPV16、18、58、6型に対する血清抗体価、単純ヘルペスウイルスに対するIgG,IgM抗体、サイトメガロウイルスに対するIgG,IgM抗体、クラミジア・トラコマチスに対するIgG,IgA抗体を測定して、両群間の比較を行った。その結果、相対危険度を計算し有意な関連性が認められたものは、1.HPV陽性(OR 18.50) 2.HPV6型に対する血清抗体検出(OR 2.30) 3.クラミジア・トラコマチスIgG抗体陽性(OR 2.43)であった。 これらの結果は、子宮頸部異形成の発症においても、性生活因子とHPVが深く関連していることを示唆する。今後これらの症例を追跡調査し、その悪性進展に関連する因子を明らかにしたい。
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