多発性外骨腫症(EX)遺伝子の位置的単離の目的で以下の検討を行った。平成6年度研究で単離した4個の切断点相当クローンから設計したPCRプライマーを用いて、エクソントラッピング、エクソン結合、3′RACE、および5′RACE解析を行い、成人精巣細胞で発現している転写物K37を単離、さらに計7個のエクソン様配列から成るcDNA (CD37)を単離した。エクソン1〜3領域に相当するゲノムDNA役42kbの塩基配列を決定した。エクソン1と2はL1およびAlu配列だったので、この領域中に他のエクソンが存在する可能性を考え、コンピュータ解析により、同領域配列中のエクソン候補を探索したが発見されなかった。一方、エクソン7と8はalternativeスプライシングされていた。RT-PCRによる検討では、エクソン4、5に相当する配列は精巣と同様に軟骨細胞でも発現していたが、5′側エクソン様配列は発現していなかった。Zoo blottingによる解析では、牛、豚および鶏でバンドを検出したが、マウスやラットでは検出されなかった。単離したcDNAは外骨腫遺伝子の候補だと考え、現在完全なCD37-cDNA配列を構築中である。cyk8-12の3′側にマップされたもう1つのYAC (cyk8-163)内にもエクソン様配列(k-219)を見いだしたので、もう1つの候補遺伝子として現在その解析も行っている。
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