研究概要 |
1.ヒトDANゲノム遺伝子のクローニングと構造解析 P1ライブラリーのスクリーニングを行うことにより、全長約15KbのヒトDNAゲノム遺伝子をクローニングした。DAN遺伝子は4個のエキソンから構成されるており、現在第1イントロン(約10Kb)の一部を除き塩基配列を決定している。第1イントロン内にはマイクロサテライトマーカーとして知られるCAリピートが存在してた。 2.Two-hybrid法によるDAN結合タンパク質に対するcDNAのクローニング 酵母のtwo-hybrid法により、DANタンパク質に結合するタンパク質の検索を行った。ラット肺由来のcDNAライブラリーに対してスクリーニングを行った結果、複数の陽性クローンを得ることができた。 3.マウスDANcDNAのクローニング NIH3T3細胞のcDNAライブラリーより、マウスのDANcDNAをクローニングした。NIH3T3細胞を様々な発がん遺伝子で悪性転換した細胞でも、ラットの系と同じくDANの発現は抑制されていることが判かった。 4.分泌されたDANタンパク質の生物活性の検討 細胞外へ分泌されたDANが細胞増殖に及ぼす影響を検討した。DAN高産生クローンから培地中に分泌されるDANを部分精製し、これをRSV-3Y1細胞に添加し(100ng/ml)、Thymidineの取り込みを測定した結果、DAN添加によりDNA合成は約40%抑制されることが判明した。 5.DANタンパク質のNi^<2+>結合能 DANタンパク質のC末端側にある(HX)nリピートに、Ni^<2+>,Zn^<2+>等の金属イオンと結合することが明らかとなった。さらに、3Y1細胞の抽出液中にあるDANを用いた場合もNi^<2+>ーレンジに結合するDANタンパク質をWestern法により確認することができた。
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