研究課題/領域番号 |
07273106
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70112068)
|
研究分担者 |
目加田 英輔 久留目大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
松浦 成昭 大阪大学, 医学部, 助教授 (70190402)
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
関口 清俊 大阪府立母子保健総合医療センター, 所長 (50187845)
済木 育夫 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (80133776)
|
キーワード | 癌 / 増殖 / 転移 / 細胞外基質 / 細胞外マトリックス / インテグリン / ラミニン / フィブロネクチン |
研究概要 |
種々の細胞外基質(リガンド)とそれらが作用する多様なインテグリンは、細胞の接着固定だけでなく、細胞の増殖、移動、分化等に重要な役割を果たすことが明らかになってきた。特に転移性の癌細胞は特定の基質/インテグリン系を利用して、基質に接着し、それを足場として活発に移動する。本研究では高い細胞運動促進活性をもつラドシン(ラミニン5)とその細胞表面受容体であるにインテグリンα3β1に特に注目しながら、7名の班員がそれぞれ独自の立場から、癌細胞の増殖、浸潤、転移に関与すると思われる細胞外基質/インテグリン系分子の種類や作用を解析し、以下の結果を得た。1)細胞移動因子ラドシンの3つのサブユニットが扁平上皮癌細胞や胃癌細胞で恒常的に発現し、またそれらの遺伝子発現が発癌プロモーターや増殖因子によって強く増強されることを見いだした。また、IV型コラーゲン結合蛋白質TAFが腫瘍血管新生に関与することを明らかにした。2)フィブロネクチン中の細胞接着ドメインとヘパリン結合ドメインを融合させたキメラペプチド(CH-271)が細胞の移動、伸展および接着斑形成を促進することを明らかにした。3)インテグリンα6β1に結合し、細胞接着・伸展活性を有するペプチド配列を同定した。4)Focal adhesion kinase(FAK)のノックアウトマウスでは中胚葉分化に障害がみられ、FAK(-)細胞では細胞運動性の低下と著しい接着班の増加が起こることを明らかにした。5)マウスインテグリンα3遺伝子のプロモーター領域を明らかにした。6)インテグリンα4鎖の強制発現によってCHO細胞の骨転移が誘導されことをしめした。7)インテグリンα3β1、DRAP27/CD9、HB-EGF、CD63が細胞膜上で複合体を形成し、細胞間相互作用に関与する可能性を示した。
|