研究課題/領域番号 |
07273234
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武部 啓 京都大学, 医学研究科, 教授 (10028318)
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研究分担者 |
巽 純子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80128222)
宮越 順二 京都大学, 医学研究科, 講師 (70121572)
八木 孝司 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80182301)
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キーワード | 多段階発がん / 色素性乾皮症 / DNA修復 / P53 / 紫外線 |
研究概要 |
1.研究目的 本研究は(1)ヒト腫瘍組織およびヒト細胞内p53およびras遺伝子の修復の効率を比較して遺伝子突然変異におけるDNA修復の役割を解明する。(2)色素性乾皮症患者の皮膚がんおよび培養細胞において、紫外線によってDNA複製エラー(RER)が生じるか、それは正常細胞よりも高頻度であるかを調べる。(3)遺伝子発現へのDNA修復の関与の多段階発がんにおける意義を明らかにする。 2.研究成果と考察 (1)色素性乾皮症(XP)患者の皮膚がんでは直径が大きく(6mm以上)、かつ組織分化の低下(進行型)しているものほどp53遺伝子の突然変異か高頻度に見出された。p53突然変異は早い段階でない可能性を示した。ras遺伝子の突然変異はまれであった。 (2)XP患者でない通常人の皮膚がんでは日光露光部にはピリミジンが2個並んだ部位の紫外線型の突然変異が多く、非露光部ではその割合が小さかった。このことはDNA修復が正常な通常人でもXP患者と同様の機構で紫外線発がんが生じていることを示している。ミスマッチ修復の関与(RERの検出)は1例もみられていない。 化学物質による遺伝子発現誘導が電磁場で促進されることを見出し、それはきわめて早い反応(1時間以内)であった。電磁場は突然変異を誘発するがそれはepigeneticな作用の結果と考えられ、DNA修復は関与していない。
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