研究課題/領域番号 |
07274218
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小俣 政男 東京大学, 医学部(病), 教授 (90125914)
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研究分担者 |
松村 雅幸 東京大学, 医学部(病), 医員
加藤 直也 東京大学, 医学部(病), 医員
多田 稔 東京大学, 医学部(病), 医員
椎名 秀一朗 東京大学, 医学部(病), 助手 (70251238)
白鳥 康史 東京大学, 医学部(病), 助手 (70196624)
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キーワード | 肝癌 / 遺伝子治療 / 組み換えアデノウイルス / AFPプロモーター / 自殺遺伝子 / 腫瘍特異的 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
経皮的エタノール注入療法の改良として、治療後病変にチタン合金マーカーを置くことにより、治療後病変と新たな病変の区別ができないか動物を用いた実験を行っている。チタン合金を用いると超音波、CTでは非常に判別しやすい事がわかってきており、今後は合併症の検討などが必要と考えている。肝癌遺伝子治療に関する研究は、腫瘍特異的プロモーターにより自殺遺伝子(HSV-tk)を発現する組み換えアデノウイルスを構築し、細胞レベルの解析を行った。AFP遺伝子上流エンハンサーに上流200bpのプロモーターを接続した領域(AFPe/p)をAFP産生細胞特異的遺伝子発現に用い、以下の組み換えアデノウイルスを作製した。(AdCAtk:非特異的CAGプロモーターでtk遺伝子発現、AdCAlacZ:CAGプロモーターでlacZ遺伝子発現、AdAFPtk:AFPe/pでtk遺伝子発現、AdAFPlacZ:AFPe/pでlacZ遺伝子発現)。各細胞にAdAFPlacZを感染させX-gal染色を行うと、AFP産生株では非常に効率よく遺伝子導入されるが非産生株では遺伝子は発現しない。自殺遺伝子をもつAdAFPtkを感染させるとAFP産生株はGCV濃度依存性に死滅するが、非産生株の細胞増殖に影響はなかった。AdCAtkを感染させるとすべての細胞が死滅する事から、AdAFPtkはAFP産生細胞特異的に効率よく殺すことが明らかとなった。ウイルス感染細胞を非感染細胞と混合しGCV存在下で培養しBystander Effectを調べたところ、感染細胞が10%存在すればすべての細胞が死滅し、強力なBystander Effectがみられた。現在、肝癌動物モデルを用いてウイルスの腫瘍縮小効果・副作用について検討している。
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