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1997 年度 実績報告書

細胞および生体レベルにおけるFas抗原の作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 07274233
研究機関京都大学

研究代表者

米原 伸  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (00124503)

研究分担者 酒巻 和弘  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (20271017)
キーワードアポトーシス / Fas / プロテインキナーゼ / MST / ras / カスパーゼ
研究概要

Fasを介するアポトーシス誘導のシグナル伝達糸と、そのシグナルを阻害する細胞内分子機構を解析し、以下の諸点を明らかにした。
1.Fasを介するアポトーシス誘導刺激で特異的に活性化されるプロテインキナーゼを精製し、部分アミノ酸列配を決定した。そして、これが酵母STE-20のファミリーに属する哺乳類のプロテインキナーゼMST/Krsであることを明らかにした。また、クローニングしたMSTのcDNAを発現させる実験によって、分子量55kDaのMSTがアポトーシス誘導時にカスパーゼの作用によって切断され、分子量34kDaの活性化したキナーゼとなることを明らかにした。
2.がん化していない線維芽細胞マウス3T3を用いて、Fasを介するアポトーシス誘導シグナルに抵抗性を与えるcDNAを発現クローニング法でクローニングした。その結果、がん遺伝子c-K-rasが線維芽細胞でFasを介するアポトーシス誘導シグナルを抑制することを明らかにした。また、活性化型ras(ras12V)は、より強い抵抗性を与え、ドミナントネガティブのrasであるras17Nを発現させると、Fasを介するアポトーシス感受性が高まった。一方、癌化した細胞株jurkatではc-K-rasはFasを介するアポトーシスを抑制できなかったが、活性化型のras12Vは抑制活性を示した。rasが活性化して癌化した細胞では、細胞傷害性T細胞が誘導するFasを介するアポトーシスに抵抗性を示すことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Shuji Kishi: "Resistance to Fas-mediated apoptosis of peripheral T-cells in HTLV-1 transgenic mice with autoimmune arthropathy" Journal of ExperimentalMedicine. 186巻. 57-64 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiko Nishimura: "In vivo analysis of FAS antigen-mediated apoptosis : effects of agonistic anti-mouse Fas mAb on thymus,spleen and liver" International Immunology. 9巻. 307-316 (1997)

  • [文献書誌] Fazuhiko Sakamaki: "Involvement of Fas antigen in ovarian follicular atresia and luteolysis" Melecular Reproductionand Development. 47. 11-18 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiko Nishimura-Morita: "A melioration of systemic autommune disease by the stimulation of apoptosis-promoting receptor Fas with anti-Fas mAb" International Immunology. 9巻. 1793-1799 (1997)

  • [文献書誌] Kyung-Kwon Lee: "Proteolvtic activation of MST/Krs,STE20-related protein kinase,by caspase during apoptosis" Oncogene. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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