天然有機化合物ティリバリンおよびトポスチンをリ-ド化合物とする制がん薬の分子設計を指向して以下の研究を行った。 1.多数のティリバリン類縁体の合成を行い、それらのL12/0マウス白血病培養細胞に対する毒性を測定し、最も強い細胞毒性を有するものとしてティリバリンのインドール基をシアノ基に置換したIIβ-シアノ類縁体を見出した。 2.DNAトポイソメラーゼI阻害剤トポスチンB-1類の改良合成法の確立に成功した。この合成法は工程数が比較的短く、操作も簡便であり、メチレン側鎖も自由に変化できる有用なものである。そして合成品のいくつかにトポイソメラーゼI阻害活性が認められ、構造と活性の相関に関し有用な知見が得られた。
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