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1995 年度 実績報告書

増殖シグナルの特異性と画像化によるがんの悪性度診断の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07274259
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

今堀 良夫  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80191899)

キーワード脳腫瘍 / 増殖シグナル / ジアシルグリセロール / ポジトロンCT / 放射線損傷 / 中性子捕捉療法
研究概要

1)原発性脳腫瘍の患者(n=7,astrocytoma II,anaplastic astrocytoma III,glioblastoma IV)において術前に〔^<11>C〕diacylglycerol(C-11 DAG)probeを用いたポジトロンCT検査を行った。その結果,悪性群において顕著なPI代謝回転の亢進が認められた。悪性群で正常脳皮質に比べ、PI代謝回転の亢進は、T/N比で1.5〜2.2であった。T/Nが1.5以下であれば腫瘍の増殖速度は軽度であることが明らかになった。
一方、培養腫瘍細胞(C6-glioma)に〔^<11>C〕diacylglycerolを投与し、増殖抑制因子(-)-3D-3-deoxy-3-fluoro-myo-inositol(3-dFI)を用いてPI turnoverへのDAGの再利用を調べたところ、増殖が抑制されるとともにDAGの再利用が抑制された(Cancer Res.,55,4225-4229,1995)。本結果はDAGが増殖シグナルのprobeになり得ることを示したものである。
2)悪性脳腫瘍に対する高LET治療である中性子捕捉療法を行った一症例において10ケ月後脳浮腫を呈したために治療後の評価として^<18>F-FDGによるglucose代謝と^<11>C-DAGによる増殖シグナルの測定を行った。^<18>F-FDGでは陰性画像のために晩期反応によるradiation injuryと考えた。一方、同時に行った^<11>C-DAGによる増殖シグナルでは陽性画像を呈した。その後、患者の経過を追ったところ腫瘍のaccelerated repopulationと思われる急激な腫瘍体積の増加、浸潤を認めるに至り再発と診断した。
以上、本研究によってポジトロンCTにより腫瘍組織の増殖シグナルに関連する画像を捉えることが可能になった。これは生体での腫瘍シグナル伝達活性をとらえた初めての成果である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Imahori,Y.,Ohmori,Y.,et.al.: "Rapid incorporation of carbon-11-labeled diacylglycerol as a probe of signal transduction in glioma." Cancer Res.,. 55. 4225-4229 (1995)

  • [文献書誌] Imahori,Y.,Ueda,S.,Ohmori,Y.et.al.: "A basic concept for PET-BNCT system." Cancer Neutron Capture Therapy,Plenum,New York,. (in press). (1996)

  • [文献書誌] Ueda,S.,Imahori,Y.,at al.: "Positron Emission Tomography and Boron Neutron Capture Therapy System to the Patient with Malignant Brain Tumor-The First Clinical Trial using ^<10>B-BPA-" Cancer Neutron Capture Therapy,Plenum,New York,. (in press). (1996)

  • [文献書誌] Mishima,Y.,Imahori,Y.,et al.: "In vivo diagnosis of human malignant melanoma with positron emission tomography using specific melanoma-seeking ^<18>F-DOPA analogue." J.Neuro-Oncol.(in press). (1996)

  • [文献書誌] 藤井 亮、今堀良夫、井戸達雄、その他.: "神経情報伝達系イメージング剤:^<11>C標識ジアシルグリセロール-院内産生放射性薬剤としての品質および安全性-" 核医学. 32(2). 191-198 (1995)

  • [文献書誌] Imahori,Y.,Matsumoto,K.,and Ueda,S.: "Handbook of Targeted Delivery of Imaging Agents,pp.575-593,Boca Raton," In:V.P.Torchilin(ed.),FL:CRC Press,575-593 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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