研究課題/領域番号 |
07277104
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
足立 昭夫 徳島大学, 医学部, 教授 (90127043)
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研究分担者 |
水落 次男 東海大学, 工学部, 教授 (90133149)
小島 朝人 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 室長 (30100077)
木戸 博 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50144978)
岡本 尚 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40146600)
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キーワード | HIV複製 / アクセサリー蛋白質 / NF-kB / Gag蛋白質 / 人工糖脂質 |
研究概要 |
HIVの複製機構について分子生物学的に解析し、以下の結果を得た。 1.足立は全てのアクセサリー遺伝子産物のウイルス複製における作用点について検討した。Vif,Vpr,Vpx,Nefの効果は感染サイクルの初期に認められ、Vpuのみ感染後期にその発現効果があらわれた。足立はまた、Gagの変異体が強力にHIV複製を阻害することを見出し、その阻害の機構も明らかにした。 2.岡本はHIV活性化因子であるHF-kBの作用機構を検討するとともにその阻害剤のスクリーニングも行なっている。NF-kBと相互作用すると予想される分子クローンを得、現在その構造と機能について解析中である。阻害剤についても有望なものが得られている。 3.木戸はHIV gp120と結合する細胞蛋白質tryptase TL2の生化学的性質及びgp120との相互作用について検討した。TL2の分子クローニングに成功し、現在その構造と機能について解析している。また、TL2は種々のHIV gp120を限定的に分解することを示し、その生物学的意義を解析中である。 4.小島はGag発現についてワクシニアウイルスの系を用いて解析した。HIV Gagが他のエピトープを運ぶ抗原として活用可能であることを示した。 5.水落はHIVに対する細胞性免疫を誘導できるヒトに毒性が少ない安全なアジュバントを開発して実用化する研究を行なっている。特定糖鎖を導入した人工糖脂質で被覆したリポソームにはフロイントの完全アジュバントよりも強い遅延型アレルギー反応誘導能があることを見出した。また、この物質が細胞性免疫を強く誘導することも示した。
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