研究課題/領域番号 |
07277107
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
木村 富紀 関西医科大学, 医学部, 助教授 (40186325)
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研究分担者 |
後藤 俊幸 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30121651)
中井 益代 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20084832)
西川 正雄 関西医科大学, 医学部, 助手 (40218136)
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
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キーワード | ヒト免疫不全ウイルス1型 / rev / mRNA / 翻訳調節 / 核外輸送 |
研究概要 |
HIV-1構造遺伝子mRNAの核外輸送はウイルスRev蛋白(以下 Rev)によって調節されていて、Rev非存在下にあってはこれらのunspliced並びにsingly-spliced mRNAsの細胞質への輸送は認められないと考えられてきた。しかしながら吾々は、Gag,Env等の構造蛋白の発現はRev存在下において初めて観察されるにも関わらず、イントロンを含む構造遺伝子mRNAがrev(-)細胞にあっても核外輸送されることを見出し、その際細胞質に発現するウイルスmRNA量はrev(+)細胞の 10 から 30%に相当する事をRibonuclease protection assay 並びに RT-QC (quantitatively competitive)PCR を用いて示した。 更にヒト RNA helicase(HRH1)の dominant negative mutant (京都大学理学部大野睦人氏より分与)を共発現した細胞においては、同 mutant によるスプライシングの抑制に伴いRev蛋白の処理能力を超え核外輸送された unspliced mRNAに関し、対応するウイルス構造蛋白の発現が認められないことを見いだした。 加えて Fluorecent in situ hybridization (FISH) を用い、ウイルスmRNAは Rev の発現に伴い核内において、瀰漫性から限局性にその局在様式を変え核外輸送量を増加させる事、また免疫電子顕微鏡法により rev(+)細胞細胞質にあっては同蛋白はポリゾームに結合していることを形態学的に明らかにした(Kimura et al.,manuscript in preparation)。 以上の結果から同蛋白の作用機序として、従来から考えられてきた構造遺伝子mRNAの核外輸送の促進に加え、ウイルスメッセージに対する翻訳調節機能が想定された。
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